完ペキサッカー少年とおバカ少女物語

□"始まり"の鐘
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「桜木さんはどこから来たの?」

「なんで転入してきたんだ?」


来ましたキマシタ、転入生にお決まりの質問ターイム!


この学校に来る前の学校でも、たくさん質問されたがあっちからもこっちからも質問されて全て答えることが出来ずせっかく質問してくれた人に残念な思いをさせてしまった

だけど今回はちゃんと家で事前に質問されることを予想してメモをとってきたから大丈夫だ!

『え、ええと…あ、あった!』

胸ポケットを弄ると昨日メモした紙切れを取り出しその紙を開いた

「ん、なんだこれ?」

『あっ!』

突然後ろから手が伸びてきて私が持っていた紙を奪う

「『予想質問される質問の答え』…?」

「どれどれ、俺にも見せて!」

「もしかして家で予想した質問の答え書いてきたの?」

「まじか!」

「唯ってホントあほだな!」

『えっ、ええ?』


私を囲んでいた人の中の1人の女の子にぎゅっと抱きしめられた

「あ、私財前塔子、塔子でいいよ!」

仲良くしような!と笑顔を向けてくれた財前、いや、塔子ちゃん

『うっうん、私でよければ!』

「あ、塔子1人だけずりィぞ!俺も桜木と話してェ!」

そう言って私と未だに私に抱きついて離れない塔子ちゃんの前にオレンジ色のバンダナをした男子生徒が立っていた

『えっと、あなたは?』

「俺、円堂守!仲良くしようぜ、桜木!」

『うん!』

「あ、あんた達だけずるい!桜木さん私とも仲良くして!」

「俺も俺も!」

『は…っ、はい!』

周りが先ほどよりわいわい騒ぎ始める

わあ…!なんか一気にみんなと仲良くなれた気がするっ
感動だあ…!


そんなことを思いながら、緩む頬を両手で抑えた





みんなの自己紹介も終わり、授業が始まるまで話そうとみんなに誘われ喋っているとそういえば、と円堂君が続けた

「豪炎寺とはどうゆう関係なんだ?」

「あ、それ私も気になってたんだ!」

「そうやそうや!ホンマのこと言いやー!」

大阪弁がチャームポイントのリカちゃんがずいっと顔を近づけてくる

『ええと…』

ちらりと隣に座っている豪炎寺君をみると、さも興味がないかのように、本を読んでいた


豪炎寺君はやっぱり何してても格好いいなあ…

ぼーっと豪炎寺君を見つめていると目の前に手が現れひらひらと振られる


「大丈夫か?ぼーっとして」

『あ、ごめん塔子ちゃん!大丈夫だよっ』

「ちゃうちゃう!塔子は乙女心というモンを分かってないなあ」

「違うって、なにが違うんだよ?」

「唯は、豪炎寺に恋しとるんや!」

「はぁ?いくらなんでもそれはないな!」

「なんでそう思うん?」

「唯と豪炎寺は初対面なのに好きになるはず…」

『あっ塔子ちゃんそれは違うの!』

いきなり私の前で、それも私のことで言い合いを始めた2人の会話にやっと割り込むことが出来た私は、2人に視線を向けられ顔が熱くなる

『その、私、豪炎寺君に…』

「えっ、なに?」

「聞こえへんよ唯、もうちょい大きな声でしゃべりや!」

そう言われ覚悟を決めた私は大きく息を吸った


『豪炎寺君に一目惚れしました!』


「「「…えぇええぇぇぇぇ!!?」」」





"始まり"の鐘
(はーい、授業を始めます、みんな席についてー!)
(((…先生、KYすぎです…)))
(え?なに?)
(は、恥ずかしい…!)


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