[]シスター・イズ・マイン

□1.噂の彼女
1ページ/5ページ


一年生のときから13HRの花巻さんは噂の的だった。
そのときはクラスも違くて、遠目で見てるだけだったけど―。

「よ‥よろしくね、花巻さん。」
「‥‥よろしく。」
‥有り得ない‥。同じクラスで、しかも、隣の席なんて‥っ!
わたし、春名千夜子は、隣の席のイケメン少女・花巻朔奈の無愛想な顔を見て、小さくガッツポーズをした。
少し間隔がある席に、少し焦れったそうに千夜子は腰をおろした。
「は、なまきさんって‥もしかして今年に妹さん入学する?」
整いすぎた顔のせいか、朔奈はいろいろなことで噂されていた。
過去の話なんてのはいくつもされ、家族構成まで流出するようになってしまった。
動物園のパンダ状態の朔奈は、“どこでそんな情報を仕入れやがった?”とでも言いたげな顔を千夜子に向けて、再び机上のノートに視線を戻した。
「‥そうだけど。」
「そ、そう‥なんだ。えと、名前、何て言うの?」
「里奈。」
即答だった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ