小説(短)
□あなたと私
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蒼い月明かりが聖堂を照らしている。
そこに居るのは、この学園に最近保護された少年と、このエリアの副総督の少女。
「今日は、来てくれてありがとうございます。」
「そんな事言わなくて良いよ。呼ばれた事自体かなり嬉しかったし、なんとなく君だと良いなって思っていたから。」
つい先ほど少女からの告白を受けて、それを快く了承した少年。
今は、二人で恋人同士の時間を過ごしている。
「この学園にきた頃は、私にこんな日が来るなんて思いませんでした。」
「それは、僕も同じだよ。」
少女はそうなの?って顔で少年の方を見る。
「僕はルルーシュみたいに顔は良くないし、記憶喪失だから。」
「あなたは気付いていないんですね。」
少女は少年に告白するために行わなければならなかったお願いを思い出しながら、そう呟いた。
(あなたは自分が思っている以上に、他人から好意を持たれているんですよ。)
少女がそう思っていると、少年が少女に心配そうな顔つきで、話し始めた。
「でも、大丈夫なのか?一応、君には専任騎士のスザクが居るだろ?」
「それは、大丈夫です!スザクは公的な関係でしかありません。」
「そうか…。」
少女の言葉を聞いて安心半分、少女の事を好いていたスザクへの罪悪感半分な気持ちに、少年はなっていた。
「あなたこそ、本当に私なんかで大丈夫なんですか?」
少女が不安そうな声で言ったので、少年は努めてゆっくり安心させる様に少女に答えた。