小説(短)

□日本開放なんてついでだよね。
1ページ/4ページ

その日は、たまたまこれといった用事は無かった。
だからルルーシュは、普段ゼロとしてでしか話せないライを執務室に呼び、何気無い会話を楽しもうと思っていた。

(ライの奴随分遅いな。まぁ、アイツの事だ。誰かに仕事を頼まれてこなしているんだろう。)

『ゼロ、僕だ。』

どうやら到着したらしい。
ルルーシュは意識を現実に戻して外の相手に返事を返す。

「あぁ、入ってきて良いぞ。」

ルルーシュがそう言うと、外に居たライが入って来る。

「それで、今回はどうしたんだ?」

「いや、これと言って用事は無いが、たまには友人として話そうと思ってな。」

ゼロの仮面を取ってライの方を向く。

「何か良い話題は無いだろうか?」

ルルーシュはライに尋ねる。

「ルルーシュは何で黒の騎士団を?」

「唐突だな。」

「話題を欲したのは、君だろ。良いから答えろ。」

「もちろん困っている日本人を無視出来ないからだ。」

「そうなのか。」

「お前は、どうしてこの黒の騎士団へ?」

「何でって、君もあの場に居たじゃないか。」

「カレンに誘われたからか。だが、そんなもの俺から言わせればきっかけに過ぎん。俺が知りたいのは、根本的理由だ。」

ライはルルーシュの言葉を黙って聞いて、その答えを探していた。

「そうだな、敢えて言うならカレンの幸せの為かな。」

「日本開放ではなく?」

ルルーシュは興味深そうに返事をする。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ