小説(短)
□日本開放なんてついでだよね。
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その日は、たまたまこれといった用事は無かった。
だからルルーシュは、普段ゼロとしてでしか話せないライを執務室に呼び、何気無い会話を楽しもうと思っていた。
(ライの奴随分遅いな。まぁ、アイツの事だ。誰かに仕事を頼まれてこなしているんだろう。)
『ゼロ、僕だ。』
どうやら到着したらしい。
ルルーシュは意識を現実に戻して外の相手に返事を返す。
「あぁ、入ってきて良いぞ。」
ルルーシュがそう言うと、外に居たライが入って来る。
「それで、今回はどうしたんだ?」
「いや、これと言って用事は無いが、たまには友人として話そうと思ってな。」
ゼロの仮面を取ってライの方を向く。
「何か良い話題は無いだろうか?」
ルルーシュはライに尋ねる。
「ルルーシュは何で黒の騎士団を?」
「唐突だな。」
「話題を欲したのは、君だろ。良いから答えろ。」
「もちろん困っている日本人を無視出来ないからだ。」
「そうなのか。」
「お前は、どうしてこの黒の騎士団へ?」
「何でって、君もあの場に居たじゃないか。」
「カレンに誘われたからか。だが、そんなもの俺から言わせればきっかけに過ぎん。俺が知りたいのは、根本的理由だ。」
ライはルルーシュの言葉を黙って聞いて、その答えを探していた。
「そうだな、敢えて言うならカレンの幸せの為かな。」
「日本開放ではなく?」
ルルーシュは興味深そうに返事をする。