リクエスト小説
□公認への道
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―――アッシュフォード学園
(一体、何でこんな事になってしまったんだろうか?)
生徒会メンバーのライは目の前にあるハート型の帽子を見ながら今から始まるイベントの最終準備を行っていた。
事の発端は言うまでも無く生徒会長のミレイの一言である。
ミレイは生徒みんなが帰宅準備をしている頃にこう宣言したのだ。
『え〜、皆様。私、ミレイ・アッシュフォードはこの学園を卒業する事にいたしました。そこで、私の卒業イベント、キューピッドの日の開催を宣言いたします!』
(あの人はいつもいきなりだからな。)
物思いに浸っていたライにスザクが話しかける。
「憂鬱そうな顔をしているね、ライ。」
「当たり前だろ。ミレイさんがイベントのルールを発表した瞬間に今までのカップルは全部解散だ。おかげで僕もカレンと別れる羽目になった。」
「このイベントでまたカップルになれば問題無いよ。」
「簡単に言うな…。」
「大丈夫!君なら出来るよ。」
「それじゃ、頑張るよ。」
「うん、そうしたら。」
「じゃあ、スタート地点に向かうとするか。」
「行ってらっしゃい。健闘を祈るよ。」
そう言って、ライはスタート地点に向かって行った。
この先に起こる事など考えもせず……。