書庫(拍手)

□2009年12月
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『クサイ台詞は似合わない人が言うとトコトン似合わない』


「どうも来てくれてありがとう。坂田銀時だ。いつもいつも来てくれるみんなを忘れたことはねえ。いつもはちゃらんぽらんな俺だが、今回はシリアスモードでいかせてもらう。しばらくの間、付き合ってくれ」

「月詠でありんす。来てくださって礼を言う。感謝してもしきれないくらいじゃ。いつもわっちは真剣じゃが、今回はすこぉ〜し、真剣味を増しておるゆえ、お付き合い頼みんす」

「月詠、お前のその美しさは、傷があっても変わらない。むしろ、その美しさを引き立てているくらいだ。俺の心を掴んで離さない、罪な女だよ」

「わっちは銀時を愛しておる。ぬしの全てがわっちには愛おしうてかなわぬ。地獄の業火に焼かれてもよい。ぬしとなら堕ちようとも悔いはありんせん」

「俺も愛している。お前の身も心も、俺だけのものにしたいんだ。お前を思うだけで、この胸ははちきれんばかりに高鳴っている。どうして、お前は俺の心をこんなにさせる?」

「それを言うなら、わっちもじゃ。ぬしを思わぬ日などない。いや、片時も忘れてなるものかと思い続けた。ぬしの全て、わっちは愛しておるぞ。天パの髪先から、くっさい足の爪の間まで」

「それなら、俺も愛しているぜ。お前の苦無の簪から、顔の傷跡、あと、おっきいおっぱいに至るまでな」

「銀時、ぬしのわっちに対する愛はおっぱいまでか?おっぱいまでで止まるほどのものでありんすか?」

「ふっ、そんなわけねえだろう。さっきはアレだ。忘れてただけだ。お前の網タイツや、そこからのぞく絶対領域も愛しているぜ。お前が望むなら、この坂田銀時、心を開いてお前に見せてやろう。お前への愛は海より深く、空よりも高い。そして、お前への気持ちは蒼天のごとく真っ青で、淀みなくどこまでも続いている」

「くっ、くく。わっちの愛もそれくらいじゃ。わっちの銀時への愛は、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲をもってしても、崩れることはないんす。じゃが足りぬ。ぬしのわっちへの想いを示しなんし!」

「お前が望むなら、俺の想い、お前に見せつけようじゃないか。月詠、これほどの情熱をもって女を愛したのは、お前が最初で最後だ。俺の想い、お前に届くまで抱きしめてやる。熱く焦がしそうな灼熱の心で、お前の愛ごと飲み込んでやる」

「く、くくくっ、あっはははは!!!」

「はい、負け〜!月詠さんの負け〜、ジャンボパフェおごりな」

「仕方ない。じゃが、似合わぬのう。クサい台詞がまったくもって似合わぬ」

「お前もだよ、天パのところから銀さん、笑うの覚悟してたんだからね。こりゃ、最初から飛ばしてるわって。あ、みんな置いてきぼりで喋ってたな。実は月詠と賭けしてて、クサいセリフを言い合って、吹き出した方がおごるってのをやってたんだわ」

「くくっ、面白いが危険じゃ。これはやりすぎると、わっちらが憤死してしまいんす」

「いやあ、ジャンボパフェゲットしたし。熱くて熱くて、顔がさあ。言ってる途中から、体内温度上昇よ?」

「こんなこと、どう考えても言わぬゆえ、ゲームとして成り立つんじゃな。だがの、銀時。あの言葉らはわっちの心の中にいつもあるからの」

「へっ、これ以上言わせんな。俺もあるぜ、心の中にはまだまだな。こんな感じで送るのも、たまにはいかがでしたかね?よかったら、拍手の愛の手を。よろしく〜」

「銀時、それを言うなら、合いの手ではないかの?」


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