書庫(拍手)
□2010年2月
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『鬼は恐れられてナンボ』
「どうも来ていただいてありがとう。どうも、坂田の銀時です」
「月詠でありんす。来てもらってありがたく思っておる。しかし、今わっちらは忙しくての」
「この時期では恒例の豆まきで、何故か知らんが鬼をやることになったわけだ。鬼のカッコして逃げ回るわけだが、何か恥ずかしいよな。赤鬼なんだけど、顔も赤く塗ったりしてるわけよ」
「わっちは青鬼の格好をしておりんす。こうした催しが出来るようになったは嬉しいが、この格好は」
「おっ、その格好だと全身のラインがはっきり見えていいな!凹凸がくっきりして、ナイスバディだよなあ。やっぱ、ボーンって胸が突き出ててさあ、腰とかもキュッとしまってるし。いやあ、本当にボン・キュッ・ボンとはこの事だわ」
「銀時、そんな目で見るでなし!それにぬしは・・・・・・見ておるではないか。わっちの体の全てを」
「そうだけど、こうしたのもエロくていいなと思うわけよ。見ようによっては、裸よりもエロいかもな。あ、隠すなって!」
「うるさい、バカ者め!銀時、始まったようじゃぞ。では逃げ回るとしようかの」
「さっさとやって、終わらせようぜ!ふっ、軽いもんだぜ。軽めに投げてくれるんだし、痛いふりしてりゃあいいんだからよ」
「これで皆が健康に過ごせるなら、お安い御用じゃ。こういう行事だとわかっておるゆえ、皆の豆を投げる力も加減しておるのじゃろう」
「楽だわ、ある意味心地いい刺激だわ。ん?何か力が強くなってるような。まあ、高学年になれば力が強くなるのは仕方ねえよな。って、痛てて!うぐっ、ぐがあああっっ!!!」
「銀時っ、どうした!急に倒れて」
「こりゃあ、豆を投げてるほんわか雰囲気じゃねえ。まるで鉄砲玉食らったような感じだ。って、痛えええ!」
「一体、何が・・・うっ、痛い痛い!何じゃ、これが豆まきで食らう強さなのか?銀時」
「んなわけねえだろ。おい月詠、駆け抜けるぞ。このままだと、怪我しちまうかもしれねえ」
「そうじゃな。じゃが、何があった?」
「わかんねえよ、こりゃ弾幕並みじゃねえか。前に進めねえし、どうしたらいいんだよ?」
「とはいえ、このままでは。わっちらは投げられっぱなしじゃ。何とかせねば」
「とにかく、誰が投げてるのか、確かめねえとな。・・・・・・ん?あれって・・・」
「あれは・・・って、あの者らは」
「神楽、新八!」
「あやつら、あと晴太と日輪ではないか」
「神楽のヤロー、どんだけ全力で投げてんだよ!間違ってるよ、そんなのおかしいですよ、新八さん!ってかあ」
「しかし、何ゆえこの弾雨なのじゃ。こんな目に遭わねばならぬとは、鬼が不憫に思えてきたわ」
「ほう、俺も同意見だわ。だけどな、俺たちゃ、型どおりの鬼じゃねえからな。月詠、俺に乗ってみるか?一年の無病息災を願うためだと言って、鬼を虐げるヤツらに宣戦布告といこうじゃねえか!」
「面白いの。わかった、ぬしの意見に同意しんす。そう簡単に奴らに福は渡さぬ。なら、参ろうぞ!赤鬼」
「おうさ、青鬼!てなわけで、ちょっくら戦ってくるからよ。見ているお前らは、しっかりとこの一年、無病息災で乗り切ってくれよな!」
「そうじゃ。この一年、元気でわっちらを応援してもらいたい。わっちらもその応援が励みになるゆえな」
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