書庫(拍手)

□2010年9月
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『髷とぴっちりゆるゆるブリーフと将太郎』


「来てもらってありがたし。秋って何なの?おいしいの?って言うくらい、暑さに参っている坂田銀時です」

「暑い中、来てくださってありがたく思うておる。月詠でありんす」

「オイ、今回は挨拶へのツッコミはなしか?」

「暑くてそれどころではない。今年の夏は、イヤと思うほどの暑さでありんした」

「オイ、ありんしたって、お前、今、過去形で言ったよね?さてはアレか?天井閉めて、穴熊のように空調効いた吉原で涼んでたってか?」

「しかし、先週今週と、ここを訪れた客人方の多いこと。プールでの話がよほど気に入っていたのでありんすなあ」

「オイ、ミラクル無視か?人の話を聞け」

「それだけ皆が荒ぶっていたのだと、あらためて思いんした。銀時、そう言えば、あの御仁は一体何者でありんすか?」

「え?ああ、将ちゃんね。あの子の事は触れないでほしいなあと」

「わっちはちらりと様子を見ただけじゃが、数人に引っ張られても切れる事なく、さらには尋常ならざる伸縮自在ぶり。ただのブリーフではないと感じ入っておる」

「ブリーフの事かいぃぃぃぃぃぃ!!!」

「ブリーフもすごいが、あんな状況においても、缶ジュースを平然と買うところもただ者ではない。まあ、あのブリーフあっての所業じゃとは思うが」

「お前はどんだけブリーフに敬意を払ってんだ!いい加減、ぴっちりゆるゆるブリーフから離れやがれ」

「あの見事な髷。そして、あの佇まい。もしかして、あの者は」

「う、もしかして、何だよ?」

「しょう・・・将太郎という名ではなかろうか?引き込もり気味で、髷が時代遅れということも知らずに」

「そう、だな。将ちゃん、引きこもりだったから、いいリハビリだわな。はあ、バレずにすみそうだ。夏も終わりそうだし、これからは涼しくなりそうだから、体調崩さずに頑張れよ」

「???、夏も終わるみたいじゃが、気温の差に体調を崩さずに頑張ってくんなんし。わっちらも気を付けるゆえ」


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