書庫(拍手)
□2010年10月
2ページ/5ページ
『究極の選択をあなたに』
「よう、坂田銀時だ。いつも来てくれてサンキューな。何もないが、くつろいじゃってくれ」
「ねえ、銀時」
「ど、どうしたんだよ。挨拶もなしで、さらには何かいつもと違くね?」
「何も違うことないよ。私は月詠で変わりはないんだから。それとも、銀時は私の事、忘れちゃった?」
「あの、もしかして」
「別に私は変わっていないと思っていたのに、二年という歳月は知らぬ間に人を変えるのね」
「二年んんん!もしかして、こいつもイボに」
「私、頑張ったんだよ。二年の間、日輪からの教えを受けて、女らしくしようって厳しい修行を」
「オイイイイイ!!!お前の頭に浮かんでるイメージ映像、思いきり間違ってるから。何で武術の型とかやってるわけ?何で滝に打たれながら真言唱えてるわけ?何で高座に上がって落語とかしてるわけ?」
「厳しい修行だったわ。お料理や行儀作法、女らしさがあんなに苛酷だとは知らなかった。途中で投げ出そうとしたのは一度や二度じゃなかったわ」
「だから、修行の内容が噛み合ってねえだろ!どんな化学反応させたら、あんなんで女らしくなるんだよ!」
「でも、私、負けなかった。だって、目標があったから。銀時にちゃんとした女として見てほしかったから」
「それは嬉しいんだけども。だけども、なあ」
「あなたが望むなら、私、何をされてもいいわ。銀時の望むことは、私が出来るなら叶えてあげたいの。その・・・恥ずかしいことだって、頑張るから」
「イボ、イボ月詠なんだけど、このままでもいいかなあって銀さん思う。いやいや、今ここで俺に甘い言葉を言っているのはイボなわけで」
「銀時、あなたに恋い焦がれて、私、体が火照って仕方ないの。ねえ、冷ましてくれない?お願い」
「がああああっっっ!どうすりゃいいんだ、今の俺にはこいつが、こいつが!悪いな、これ以上は見せらんねえ。イボは・・・イボなんだけど、このおいしいシチュエーションは捨て難い」
「銀時、私にはあなたが。あなたがいないと、どうにかなっちゃいそう。私にはあなたが必要なの!!!」
NEXT>>あとがき