書庫(拍手)

□2010年10月
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『究極の選択をあなたに』


「よう、坂田銀時だ。いつも来てくれてサンキューな。何もないが、くつろいじゃってくれ」

「ねえ、銀時」

「ど、どうしたんだよ。挨拶もなしで、さらには何かいつもと違くね?」

「何も違うことないよ。私は月詠で変わりはないんだから。それとも、銀時は私の事、忘れちゃった?」

「あの、もしかして」

「別に私は変わっていないと思っていたのに、二年という歳月は知らぬ間に人を変えるのね」

「二年んんん!もしかして、こいつもイボに」

「私、頑張ったんだよ。二年の間、日輪からの教えを受けて、女らしくしようって厳しい修行を」

「オイイイイイ!!!お前の頭に浮かんでるイメージ映像、思いきり間違ってるから。何で武術の型とかやってるわけ?何で滝に打たれながら真言唱えてるわけ?何で高座に上がって落語とかしてるわけ?」

「厳しい修行だったわ。お料理や行儀作法、女らしさがあんなに苛酷だとは知らなかった。途中で投げ出そうとしたのは一度や二度じゃなかったわ」

「だから、修行の内容が噛み合ってねえだろ!どんな化学反応させたら、あんなんで女らしくなるんだよ!」

「でも、私、負けなかった。だって、目標があったから。銀時にちゃんとした女として見てほしかったから」

「それは嬉しいんだけども。だけども、なあ」

「あなたが望むなら、私、何をされてもいいわ。銀時の望むことは、私が出来るなら叶えてあげたいの。その・・・恥ずかしいことだって、頑張るから」

「イボ、イボ月詠なんだけど、このままでもいいかなあって銀さん思う。いやいや、今ここで俺に甘い言葉を言っているのはイボなわけで」

「銀時、あなたに恋い焦がれて、私、体が火照って仕方ないの。ねえ、冷ましてくれない?お願い」

「がああああっっっ!どうすりゃいいんだ、今の俺にはこいつが、こいつが!悪いな、これ以上は見せらんねえ。イボは・・・イボなんだけど、このおいしいシチュエーションは捨て難い」

「銀時、私にはあなたが。あなたがいないと、どうにかなっちゃいそう。私にはあなたが必要なの!!!」


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