書庫(キリ番)

□健全なる精神は健全なる肉体に宿る・・・といいなあ
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「ふーん、インフルエンザ大流行。風邪患者も急増中かあ。最近は寒くなってるし、これからも増えるよなあ」

「私はかよわい女の子だから、ウイルスが来たら、あっさりと体を許しちゃうアル。抵抗しても、奴等はお構いなしに私の体を蹂躙していくアル」

「お前、かよわいって言葉、辞典で調べる所から始めようね。で、体を許すとか言わない。何かイヤらしく聞こえるから」


坂田銀時と神楽はテレビのニュースを見ながら、ああだこうだと話し合っていた。『万事屋銀ちゃん』には、銀時と神楽と、彼を訪ねてやってきた月詠がいた。


「で、お前はどうなのさ。風邪とかひいてない?」

「わっちか?わっちに言わせれば、軟弱としか言えぬ。“病は気から”というじゃろう。気をしっかり保って、規則正しく生活しておれば何の問題もありんせん」

「ツッキーは風邪ひいた事ないアルカ?」

「ないと言えば嘘になる。しかし、最近はひいたことはない。わっちの前では、風邪もインフルエンザも避けておるのじゃろう」

「お前が言うともっともらしいわ。確かにそうなんだろうな。でも、死者も出てるわけだし、気をつけるに越したことはないんじゃね?」

「何度も言わせるな。わっちは健康には気を遣っておる。健康でなければ、百華の頭は務まらぬ」

「ふーん、そう言われりゃ、そうなんだろうが・・・つーかお前、顔赤くね?」


銀時が指摘した。確かに顔が赤くなっていた。月詠は肌の色が白いので、その赤みが余計に目立っていた。


「顔が赤い?そんなわけはない。ここが暑いだけじゃ。わっちは普段と変わりはせぬ」

「勇ましい言葉言ってるときに申し訳ないアルが。ツッキー、鼻水出てる顔で言われても説得力ないアル」


ツーッと月詠の鼻から鼻水が垂れる。その様がおかしくて、銀時が腹を抱えて笑い出した。


「なんだよ、それ!思いっきり風邪の症状じゃねえか、は、早く風邪治せって。何、お前、自分風邪なのに、風邪は軟弱な証拠って言ってたわけ?くくく、ははは」


その言葉が終わるやいなや、銀時の頭に苦無がサクッと刺さった。銀時の額から血が流れ落ちた。


「笑うでなし。わっちは、まったく、問題、なっしじゃ・・・」


フラリと月詠はその場に倒れた。

「おい、月詠。神楽、タオル冷やしてきてくれ」
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