書庫(記念・企画)

□色褪せぬ約束
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あっしは外道丸。結野衆の式神でござんす。元々あっしは鬼でござんした。それが結野衆に調伏され、式神としてこき使われることになったでござんす。

それから数百年の時が過ぎ、あっしは素晴らしい主に出会いやした。

結野クリステル。クリステル様以前の主は、あっしを道具としか見てなかったでござんす。まあ、式神である以上、使役されるのは仕方ないことでやんした。こき使われていく長い長い年月の中、あっしは式神として、道具に徹したでござんす。ただ、あっしの眼鏡に叶わぬ者は撲殺させてもらいやしたが。

クリステル様は、あっしに友人として接してくれやした。それはあっしには初めての事で、素直に嬉しかったでござんす。

そして、そんなクリステル様が危機に陥った際、力を貸してくれた方が、あっしのもう一人の主、坂田銀時でござんした。

クリステル様のために戦おうとする心意気に惚れ、あっしは銀時様をもう一人の主として認めやんした。そして、銀時様はクリステル様を救うだけでなく、長年の結野家と巳厘野家の因縁も終わらせてしまいやんした。


「おい、外道丸」

「何でござんしょ?」

「俺とお前は主と式神の関係みてえだけど、俺はそうは思ってねえからな」

「???」

「俺とお前は五分と五分。差し引きなしの仲間だからよ」

「銀時様、あっしはあなたの金○を1個差し引いてしまいやしたが」

「何ちょっとうまいこと言ってんの。そのあと直してくれただろうが。それは置いといてだ。また、来てくれるか?」

「主が望むのなら、あっしは何を置いても駆けつけやす。それが式神のつとめでござんすから」

「らしくねえこと言ってんじゃねえよ。まあいいや。じゃあな、また会おうぜ」


あっしは銀時様の姿を見えなくなるまでお見送りしたでござんす。このような事、あっし自身も驚きやした。自分にこのような殊勝な心がけが出来るとは。この事を、家に戻ってきたクリステル様に話したでござんす。


「外道丸、あの人のこと、どう思ってるの?」

「言っている意味がわかりやせんが」

「主うんぬんという事じゃなく、一人の男としてどう思ってるの?」

「あの方はクリステル様と同じく、あっしを式神としてではなく、仲間だと言ってくれやんした。式神としてではなく、外道丸として、あの方の力になりたい。そう思いやんした」

「そう。いい主にめぐり合えたわね」

「へえ。クリステル様に銀時様、あっしは幸せものかもしれやせん。この時代に、二人の素敵な主に巡り会えやしたから」
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