書庫(記念・企画)
□離れがたきその温もり
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「「はあ、はあ、はあ」」
男女の荒い息づかいが部屋に響き渡る。一つに繋がったまま、男女は事後の余韻に浸る。男が女の髪を優しく撫でれば、女は心地良さそうに男の動きに身を任せる。
やがて、男が肉棒を女の秘唇から抜き取る。
「いやあ、頑張っちゃったなあ」
「ぬしはいつもいつも激しすぎなんじゃ。責められるわっちの身も考えてみなんし」
「え〜、お前だって気持ち良さそうな顔してたし」
一組の男女とは、坂田銀時と月詠である。ここは『ひのや』の月詠の部屋。先ほどまで、互いの体と体を強く結び合っていた。
余韻が強く残っているせいか、お互いに体が火照って眠れない。
銀時は腕を広げて、月詠に来るよう促した。月詠は銀時の腕に自分の頭を預けた。
「何か眠れねえな。眠るまで寝物語でも語ってみるか」
「ぬしがか?あまり似つかわしくないと思うがの」
「俺みたいな甘味マスターになると、こういうピロートークも自然と甘くなってたりすんだよ」
「ふふふ、本当でありんすか?」
「え〜とだなあ、お前、俺の事、好きか?」
「な、いきなりじゃな」
月詠は少しばかり困った顔をした。しばらく考えたあと、月詠は口を開いた。