書庫(長編) 第二巻

□其ノ拾壱
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囲まれた坂田銀時は、周りを見渡す。


「あ〜あ、ここで助っ人出ねえかなあ」


銀時はゴソゴソとポケットの中をまさぐった。しばらくして、銀時は溜め息をつきながら話した。


「ダメだわ。ポイポイカプセルもねえし、カプセル怪獣もないわ。ウインダムかミクラス出ねえかなあ、あ、あともう一つって何だっけ?」


一人の男が銀時に向かった。銀時は慌てることなく、男の顔面に蹴りを放つ。カウンターの形で入ったので、男は後ろへと倒れた。


「まあ、こうして一人ずつじゃあ来てくんねえよなあ。団体様ご歓迎ってわけには・・・」


囲んでいた男たちが銀時に向かって殺到する。次々と攻撃を繰り出す男たち。それを銀時は避けた上で、効果的に反撃をする。

鉄パイプを振り回す相手を投げ飛ばし、銀時は鉄パイプを手にした。何回か素振りを繰り返し、相手を睨み付けながら言った。


「いつものとは具合が悪いが、まあいいだろ。こんな人数差だ。多少は無茶させてもらうとするか」


銀時は相手の中に飛び込むと、鉄パイプを相手の急所に叩き込む。もんどりうって倒れる相手を見ることなく、銀時は相手の足や腕を狙って鉄パイプを振り回す。

密集したところへ飛び込み、思う存分に鉄パイプを振るう。相手側も武器は持っていたが、銀時の戦いぶりに引き気味になっていた。


「足を狙え、足を。ちょこまか動かれないように、狙えよ足を!」


銀時が顔面向かって、鉄パイプを振り下ろす。それを相手も鉄パイプで受け止める。つばぜり合いの隙を狙って、相手は銀時の足に痛撃を追わせる。

銀時は一瞬うめき声を上げるが、表面的には変化はなかった。相手側はこの銀時の足を狙うという戦術を、愚直にも忠実に実施していた。

銀時の攻撃を受け止め、その隙に足に攻撃を加える。一つ一つの攻撃は大したものでなくとも、それが積み重なれば、それだけダメージもでかくなる。


「つっ、てめえら、ちまちまやりやがって」

「お前は一人だから、一人を倒していかなきゃいけねえが、俺らは一撃だけやれればいい。それが俺らの人数分になったら、そうとうなモンになるだろ」

「へえ、バカのくせによくやるよなあ」

「はっ、バカのお前に言われたくねえな。こうしているうちに」


男が言うように、幾度も攻撃を受けた銀時の両足は、感覚が麻痺するほど弱っていた。

銀時が動こうとしたとき、意思と反して両足が動かず、その場に倒れてしまった。


「やっと効いてきたか。手こずらせやがって。おい、袋叩きにしてしまえ」


倒れた銀時に、男たちは攻撃を加える。銀時は抵抗する間もないほど、男たちの攻撃に曝されることになった。
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