書庫(長編) 第二巻
□其ノ陸
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吉原のとある一角。古びた建物の中、敷かれた寝床に一組の男女が絡み合っている。
「いや、やめっ、あああっっっ!!!」
滝峰綾人にさらわれた女は、ここで彼に陵辱されようとしていた。服を強引に脱がされ、綾人に組み敷かれた女は抗えないとわかっていても抵抗を続けていた。
「はは、元は遊女で吉原に来たんだろう?今、それを全うさせてやる。おとなしくしろ」
「こんな辱しめ、殺せ!」
「殺せないんだわ。殺すなら、あのときお前を殺している。もう、お前らに対して殺しはしない」
「きゃ、やめっ、やめ」
綾人は口づけを唇から首筋へと落としていく。女は抵抗と快楽の狭間で揺れていた。
「わたしに、そのような、きゃ」
綾人は女の乳房をむんずと掴んだ。円を描くように揉みしだかれ、固く隆起した乳首を吸われた。
女は歯向かおうと試みた。しかし、綾人の目を見た瞬間、その気持ちが萎えてしまう。さらわれた時の圧倒的な力量差、綾人の眼光の鋭さに萎縮してしまったのである。
そんな女の気持ちを知るかのように、綾人は右手を女の股間へと伸ばしていく。女は足を閉じたが、綾人は構わず、右手を股間へと滑らせた。
「何だ、期待してたのか。既に足まで垂れてるぞ。犯られたかったか?」
「う、うう」
「望まぬ結果だ。それは仕方ない。しかし避けられぬなら、それを甘受すべきではないか?」
綾人の指が一本、女の膣内に入っていく。ゆっくりと膣内をかき回す。女は声を出すまいと唇を噛んだが、綾人は指をもう一本挿入し、膣内を再びかき回す。
「くっ、あはぁ、ゃぁ」
「蜜がどんどん溢れてる。好きなのか、はは、もっと溢れさせてやる」
「もっ、それいじょっ、くあぁ」
綾人は秘所を探り当てると、指を前後させて擦り始めた。女は味わったことのない感覚に思わず体をのけ反らせた。
女は未知の体験に恐れつつ、それと同じくらいの気持ちよさに負けそうになる。やがて綾人の指の巧みさに、我慢していたタガが外れ、女は声を上げた。
「くうっ、あぁぁっ!はっはっ」
「これ握ってみろ。今からこれがお前を下から貫く。溢れるお前の下の口からな」
女は綾人の肉棒に触れた。固くて熱い、そして脈打つ肉棒に女は恐れすら抱いていた。
「これが入ったら、お前はただの女に成り下がる。早く済ませてしまうか」
「や、やめ、そんなの、入りっこない」
「入る入らないはお前が決めることじゃない。ここにいる以上、受け入れるしかないだろ」
「やめ、お、願いっ!」
綾人は女の膣内に肉棒を挿入した。初めての痛覚に女は気を失いそうになる。抜くように女は綾人を押し返そうとするが、綾人は構わずに奥深く入ってくる。
「はは、初めてか。締め付けがハンパないな」
「やっ、だめっ、抜いてぇ、痛いっ!」
「汚し、辱しめ、弄ぶる。俺の眼鏡にかなったのが運の尽きだったな」
綾人は小気味よく腰を前後に振った。パンパンと腰を打ち付ける音が響き渡る。女は痛みに顔をゆがめる。
何故に自分はこんな目に?問いかけても答えてくれる者など誰もいない。自分の境遇を恨みながら、女は悪夢のような時が終わるのを願った。
「ほら、どうせ避けられぬなら楽しめば?ここをこうつついていくと」
「はあぁ、あぁ〜!な、なにか、頭が頭が真っ白」
女は絶頂に達した。体を小刻みに震わせ、体の力が抜けたようになった。綾人はまたも腰を振り始めた。
「あ、あぁ」
「はは、悪いがこっちはイッテない。まだ終わらないよ」
女にとっての悪夢の宴は、まだ終わりそうになかった。