書庫(長編)
□其ノ拾
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a・ma・toの宴は終了し、参加者は名残惜しそうに歓談を続けていた。天人だけでなく、幕府の高官らも参加者として名を連ねていた。
これを見ていた銀時と小耶太は憤慨し、思いの丈をぶつけ合った。
「何じゃあ、ありゃあ。天人と幕府が繋がっとる。もういかんわ、こりゃ」
「バカ、抗戦派と開国派に割れてんのは分かってた話だろ。今さらだろ、今さら。まあ、人数があんなにいるってことは、天人に尻尾振ってるヤツらが大勢占めてるってことだろ」
「分かっちょうけど、あねえな露骨に媚び売るのを見せられて、こっちはイライラするっちゃ。・・・って、銀時、わりゃ、何でいちご牛乳なんぞ飲んどるんじゃ!」
ただでさえ、a・ma・toの様子に憤慨しているのに、銀時がいちご牛乳を飲んでいる事に小耶太は激昂した。
「気分落ち着けるためだろ。当たり前の用意をしただけよ、俺は。まだ時間があるんだもの」
「くあぁ!何て事じゃ、そねえなら俺も持ってくりゃあ。あーあ、わしも食いてえなぁ、苺をいっぱい」
小耶太が言ったあと、スッと皿に盛られた苺が現れた。小耶太は一瞬呆気に取られるも、食い気には勝てず、これを受け取った。
「ありがてえなあ。でも、これに練乳と牛乳ありゃあ、わしは死んでも悔いはないっちゃ」
すると、小耶太の前に望み通りの物が差し出された。小耶太はそれを受け取り、皿の苺に混ぜてこれを食した。
これを見た銀時は、不機嫌そうに小耶太に毒づいた。
「おいおいおい、何でシャクシャク、苺食ってんだ?コノヤロー」
「日頃の行いがええからじゃろ」
「これから悪さするやつにんなモンあるか」
「そねえに言うなら、今、食いたいモンを言うてみい。わしは言うたら、これが出たんじゃ」
銀時は小耶太の言ったことを実践してみた。
「ああ、とろけるくらいに甘いチョコレートパフェが食いたい。それ食えれば、もう言うことはない」
しばらく沈黙の時が流れた。銀時は苺をかき込んでいる小耶太をジロッと睨んだ。小耶太は知らぬ存ぜぬを決め込んでいる。
すると、銀時の前にチョコレートパフェが現れた。
「マージーで・・・って!」
「声がデカいんじゃ、ドボケ!ありがたく黙々と食えばええ」
「いやいや、すげえよ、こりゃ。不思議だよなあ、でもありがてえよなあ」
それからしばらくして、桂が銀時らの様子を見にやってきた。そこで桂が見たのは、驚愕の光景だった。