書庫(長編)

□其ノ壱
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わっちと銀時の出会いは、わっちが16の時であった。あの頃のわっちらの年代は荒れていた。暴走族、高校共に激しい勢力争いが起こっておった。

わっちはレディース『百華』の2代目総長でありんした。初代総長であった地雷亜は、百華を立ち上げて確固たる地位を作り上げた。誰にも束縛されず、己の道を貫く姿は他の暴走族においても一目置かれる存在じゃった。

しかし、地雷亜が謎の死を遂げたあと、百華は解散した。百華の名はいつしか忘れられていった。わっちが百華の頭になる数年前の事じゃった。

わっちは初代百華の詳細は知らぬ。じゃが、なぜかは知らぬが百華という存在に心惹かれた。わっちは人を集め、百華を再び立ち上げた。初代と違うのは、メンバー全員が女で構成されたレディースという事じゃった。

2代目とはいえ、一度は消滅したチーム。新しいチームと言っても過言はない。暴走族・レディースの中で、わっちらのチームは抗争が絶えなかった。出る杭は打たれるというとこかの。


「おい、逃げられねえよう囲め!」

「総長、囲まれました。人数はうちらより多いようで」

「これはちと難儀しそうじゃな。だが、折れるわけにはいかぬ。気合いを入れてかかれ」

「はいっ!」

「俺らの傘下に入れば、助けてやってもいいんだぜ。さっさと降参したらどうだ」

「悪いがな、わっちらは聞き分けが悪くての。お主らに従う気はない」

「強情なアマだな。やっちまえ!」
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