未来日記
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「悪い、待たせたか?」
「大丈夫だよ。それより、どうしたの?」
大丈夫と嘘を付く
これが一番良いんだ
「あぁ、お前風邪が酷いから、ちょっとの間入院だってよ」
「えぇ!?学校は!?」
「休学届け、出しとくから。しっかり休めよ」
「つまんなーい」
「俺が毎日見舞いに来てやるよ」
そういって頭を撫でれば嬉しそうに目を細める。
触った頭は少し熱く、熱があることが分かる。
早く、良くなって、一緒にどこか行こう。
お前がいれば俺はどこだって行ける。
だから、
―だから、死なないで―
「情けねぇな、俺」
「えっ、何?」
なんでもねぇよ、と頭を数回叩くと今度は不満そうな顔をする。
「……ったら」
「?」
「風邪、治ったら、どっか行こうな。」
「っ!!うんっ!!」
さっきの不満そうな顔から一気に嬉しそうな顔になる。
よく表情がコロコロと変わるのが微笑ましい。
そんな彼女の笑顔を、俺は奪いたくない。
だから、こうやって、嘘を付くのが一番良いんだ。