涙のリング

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「土方君!!一緒に帰ろ」


「あぁ…ちょっと待て」





ポンと私の頭の上に置かれた物を見上げると、何か小さい箱のようだ



「何これ?」


「…やる…落ちてた」



顔を真っ赤にしてそっぽ向く彼を見て、思わず笑ってしまった


「なっ!!笑うな!!」


「ごめんごめん、わざわざ買ってくれたんだね」


「落ちてたって言ってんだろ!!」



この嘘は彼の精一杯の照れ隠しのようだ


「ありがとう土方君。開けて良い?」



好きにしろ。とまたもやそっぽ向く彼からもらった小さな箱を開けてみる。



「わぁ!!可愛い!これ指輪?」



そこには指輪が入っていた。


「つけて良い?」


彼はそっぽ向いたまま頷く。


早速つけようとするとあることに気付く


「アイリス?」



そこには英語でiris、と書かれていた


「どういう意味?」



私が訪ねると


「その内分かる」


と彼はコッチを向いてフワリと笑った。


その笑顔に頬が熱くなり、今度は私がそっぽ向いた。



「ひっひじか「ストップ」えっ…」



明らかに赤い頬を誤魔化すため彼に背を向けたまま話しかけようとすると、彼に止められた。


彼は後ろから私の耳に口を近づけ…



「ソロソロ、トシって呼べよ。なぁ…咲羅。」


ソッと私に囁いた。













きっと私の顔は茹で蛸みたいに真っ赤だと思う


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