涙の別れ
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*土方side
今日は咲羅の誕生日。
だから前もって近藤さん達と咲羅のプレゼントを買いに行く約束をした。
バイトの関係で当日になっちまったが、まぁ夜にでも渡せば良いか。
そう思い柄にもなくにやついてみると
「トシー聞いたよー買い物行くんでしょ」
…コイツを忘れてた…
コイツは剣道部のマネージャーで何かと理由を付けて俺や総悟に付いてくる。
「あぁ…まぁな…」
「じゃあ一緒に連れてって!!女の子が居た方が全然良いから!!」
……確かに…女モン何て俺は全然知らない。彼女が居た方が良いかもしれない。
「…あんま引っ付くなよ」
それだけ言って俺は歩き出した。
「ねぇ!!ここ寄ってみない?」
着いた先はアクセサリーショップ。
中に入ると色んなアクセサリーが有る。値段も手頃だ。
−これ、良いな…−
手にしたアクセサリーを眺めていると
突然
「いやっ!!離して!!」
という声がした。
気になって覗いてみるとそこには
−知らない男な抱き締められた咲羅が居た…−
「…っ!!」
口を開こうとした瞬間。
「トシーどうしたの?」
最悪のタイミングだ。
マネージャーが現れた後、咲羅は静かに抵抗していた腕を下ろした。
君の中での居場所
やりきれなくなって、俺は目を逸らした…