涙の別れ
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*土方side
抱き締められた咲羅をただ呆然と見つめる。
嘘だろ。なぁ…なんとか言えよ。
薄々思っていた。咲羅は元は総悟が好きだった。だから俺なんか眼中に無いかもしれないって。
それでも、咲羅は自分を選んでくれると願ってた。
「咲羅」
消えるような俺の声。
すると咲羅は涙を流しながらニコリと笑い
「別れよう」
と言った。
嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!
頭が鈍器で殴られた様に痛い。
「私、この人と付き合うから」
やめろ、やめろやめてくれ。
咲羅は隣の男と手を繋ぐ。
触るなよ、咲羅にふれて良いのは俺だけだ。
「素敵な彼女さんだね。応援するよ」
俺は…お前に捨てられたのか?
なら、仕方ない…俺が好きでもアイツが俺を嫌いなら…
「…−そーかい…紅月サン今までありがとよ」
今日、俺の恋は終わった…
何も出来ない自分に腹が立つ。
俺はムシャクシャしたまま家に帰った。
…明日、マネージャーに謝んなきゃな…後、近藤さんと総悟にも…
否定出きない自分
あの時否定出来なかった自分に一番腹が立った