涙の別れ
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「ごめん。余計な事して…でも俺咲羅の事ずっと良いなって思ってたから…さ…」
「気にしないで。付き合えて嬉しい」
あの後、みんなに謝って先に彼と帰る事にした。
付き合えて嬉しいなんて嘘。本当は土方君が良い。
土方君じゃなきゃ嫌だし、きっと私は隣りに居る彼を傷つけてしまうだろう。
私…最低な女だ……
−フニッ−
「なっ!!?」
突然頬に暖かい物が触れる。どうやらそれは彼の指の様だ。
「どうしたの?可愛い顔台無しだよ?」
「なっ!!可愛い!?嘘嘘!!可愛いなんておかしいよ!!」
初めての対応でアタフタしていると彼は手を私の頭の上にのせ、ゆっくり撫でてくれた。
その仕草だけでも頬が熱くなる。どうやら新しい彼はとんでもないプレイボーイらしい……
なんというか…女性の扱いに慣れている。
土方君も格好いいが隣の彼は違う格好良さを持っている…なんというか…軽い…
そんな彼に笑われない様、精一杯努力しようと柄にもなく思ってしまった。
それぞれの行く道
ちゃんと前を向いて歩こうと決めた。