涙の別れ

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「いらっしゃいませー」


店員さんの声が響くファミレス。私達は向かい合った形で座る。



「ご注文は?」


「うーん…チョコケーキで」


「俺スパゲティ。ほかは?」


「じゃあ同じで」







気まずいと思っていたら、案外そうでもなく、料理が来るまで、お互い色んな事を話し合った。



「お待たせしまし…」


「あっ、ありがとうございま…」



料理を運んで来たのはなんと土方君。嘘。何で…


「咲羅どうした?」


「えっ!?ううん。なんでも。たっ、食べようか」




やだな、土方君に見られた。それだけで心臓が爆発しそう。


土方君の目。凄く怖かった。















「おいしー!!」


「良かった。まぁ、ファミレスだけどな。」


「美味しいよ。ありがと」


「こっちこそありがとな。わがまま聞いてもらっちゃって」


「ううん。楽しかった。友達としてなら、また行こうね。」


「あぁ。さて…帰るか…」




彼に続いて席を立つ。



どうもおかしい。体が言うことを聞かない。



フラフラする。



「咲羅大丈夫か!?」



彼の声を聞きながら、私は意識を失った。









意識が無くなる直前、声が聞こえた気がする。



「咲羅!!」


土方君の焦った声と…


「ちょろいね…この女」


彼のニヤリと笑った様な声…



 

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