涙の青春

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先生は、どうやったら私を見てくれるんだろう。

私、先生の為なら頑張れるよ。

おしゃれだっていっぱいするし、

勉強だって、頑張るから。


お願い……名前、呼んで。



「先生」

「あ?なんだ神崎か。」



やっぱり名字で呼ぶ。

それは私が生徒だから?

女として見てないから?


「俺、ちょっと用事があるから。後で来いよ」


そう言って頭を撫でて私に背を向ける


なんで子供扱いするの?私はもう高校3年だよ?


どうやったら好きになってくれるのかな?


「ふっ……くぅ……」


自然と涙がこぼれるのが分かる。


恋愛なんて、遊びだと思っていた。


友達の話を聞く限りだと、胸が苦しくなるなんて嘘だと思っていた。


でも―……



「苦しいっ……よぉ……せんせぇ!!」



こんなに胸が苦しくなるのはなんで?


好きだから?

分かんない。


頭の中がグチャグチャで、


思わずしゃがみこんだ。


「助けて……たすけてよぉ……」


こんな時でも浮かぶのは土方先生の顔。


あぁ、私の頭の中は土方先生でいっぱいみたい。



「神崎っ!!」

「せんせっ……」







いつも貴方がいる。


 

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