涙の恋
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−そういえば…
「土方君は何で私の名前知ってんの?」
翌日。私と土方君は図書館で一緒に課題を解いていた。
昨日と変わらないやりとり。
でも…
時間よ進まないで
そう思ってしまうのはどうしてだろう。
土方君の方を見ると頭をガシガシかきながら
「紅月って有名だろ。頭良いから」
驚いた。土方君が私の事を知っていたなんて。
思わず頬が緩むのを慌てて抑え、課題に向き直った。
あぁ…こんなに心が暖かいのは、隣に誰かが居るからか…
だからこんなに些細な事でも、楽しいんだ。
ほんの少し、課題が難しかったら、もっと彼と話せるんだけどな。
私がそう思ったのは誰にも秘密。