涙の恋

□06
1ページ/1ページ







「お…終わった…」




カタンとシャーペンを机に置く。



「俺も」



それと同時に聞こえる声。








私と土方君は毎日図書館に来て勉強を教えてあった。






そのお陰で、8月の半ばには2人共課題が終わった。





「土方君凄い教え方上手だね。数学と化学助かっちゃった。」



「紅月だって国語教え方上手いじゃねぇか。俺だったら絶対無理だな。」



「そんな事無いよ!!」












互いにお世辞を言い合いながら図書館をでる。










「…乗ってくだろ?」




このやりとりも既に日常。




「お願いします。」











−沖田君に振られてから1ヶ月もたって無いのに…私って軽い女なのかな?−










そう思いながらも素直に自転車の後ろに乗る自分に苦笑い。












土方君の背中ごしに伝わる心音と体温が気持ちいい。





もう少し…もう少しだけ






そう思っていたら、土方君がいきなり家と反対方向に曲がった。












「土方君!!家はあっち…!!」




慌てて言うが土方君は





「黙って乗っとけ」




そう言って振り返った土方君の顔は






とっても優しい顔…











ズルいよ…そんな事言われたら…期待しちゃうじゃん…





















ほんの少し頬が熱い

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ