涙の恋
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「お…終わった…」
カタンとシャーペンを机に置く。
「俺も」
それと同時に聞こえる声。
私と土方君は毎日図書館に来て勉強を教えてあった。
そのお陰で、8月の半ばには2人共課題が終わった。
「土方君凄い教え方上手だね。数学と化学助かっちゃった。」
「紅月だって国語教え方上手いじゃねぇか。俺だったら絶対無理だな。」
「そんな事無いよ!!」
互いにお世辞を言い合いながら図書館をでる。
「…乗ってくだろ?」
このやりとりも既に日常。
「お願いします。」
−沖田君に振られてから1ヶ月もたって無いのに…私って軽い女なのかな?−
そう思いながらも素直に自転車の後ろに乗る自分に苦笑い。
土方君の背中ごしに伝わる心音と体温が気持ちいい。
もう少し…もう少しだけ
そう思っていたら、土方君がいきなり家と反対方向に曲がった。
「土方君!!家はあっち…!!」
慌てて言うが土方君は
「黙って乗っとけ」
そう言って振り返った土方君の顔は
とっても優しい顔…
ズルいよ…そんな事言われたら…期待しちゃうじゃん…
貴方にとって私は
ほんの少し頬が熱い