涙の恋
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途中土方君はコンビニへ行ったかと思ったら、大量のビニール袋をもって出て来た。
「それなぁに?」
「内緒。黙ってろよ」
そんなやりとりが続いたら、辺りはもう夕方。いくら夏だからと言っても、太陽は沈みかけている。
「うわぁ…」
太陽が沈みきってから私と土方君は海に来ていた。
「でも真っ暗だから泳げないね」
「良いんだよ。」
そう言って彼はビニール袋から何かを取り出す。
「うりゃ!!」
「人に向けんな馬鹿!!」
「ごめんごめん。あっ!!字が書けた!」
土方君が買ったのは大量の花火。
今はそれを2人でやっている。
「あー楽しい。でもちょっと休憩。」
「おっ。後線香花火が残ってるぞ」
「線香花火!?やりたいやりたい!!」
「餓鬼か。お前は」
呆れながらも線香花火を渡す土方君。
2人で一緒に火を付ける。
パチパチという音と共に光る花火。
「私、線香花火が一番好き。なんか切なくて。」
「知ってるか?線香花火が落ちるまでに願うと叶うって」
「何それ!!やってみよう!!」
どうか…どうか今のままで居られたら良いな。
花火よ消えないで
でも線香花火は私の期待を裏切ってポトリと落ちる。
どうして?神様どうしてこんなに些細な願いも叶えてくれないの?
波の音が虚しく感じた。