涙の恋
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その後何度も願ったけど、成功する事は無かった。
その内花火も無くなり、花火大会はおひらきとなった。
「悪りぃな。こんな時間まで。」
「全然。寧ろ楽しかったし。」
「……そうか。」
フッと笑う土方君に何故か頬が熱くなる。
それに気づかれたく無くて、波打ち際まで走っていった。
その瞬間。砂のくぼみにハマって私は前のめりになった。
−危ない−
そう思うより先に
「咲羅!!!」
土方君の焦った声が聞こえた。
−あぁ…初めて名前呼ばれた…
その瞬間。私と土方君は見事海へダイブ
「うわっ!!恥ずかしっ!!」
「お前やっぱり馬鹿だろ!!」
そう言いながら、土方君と私は大爆笑。
「洋服どうしようか。」
「とりあえず、俺ん家行くぞ」
「悪いって…クション」
「ハハハ色気無ぇくしゃみ」
「うっ…煩い」
あのクールな土方君がこんなに笑ってる。そう思うと改めて
−私って土方君の事全然知らなかったんだな−
と思う。
そして、土方君の事をもっともっと知りたいと思った。
あなたを知りたい
私はこんなに土方君に依存してたんだ。