涙の恋
□09
1ページ/1ページ
「お…お邪魔しまーす。」
「そんな堅くなるなよ」
無理やり土方君の家に連れてかれ、私は凄く緊張している。
−お…男の子の家初めて来た…−
「待ってろ、今着替えとタオル持って来る。」
「ありがとう。色々」
そう言って土方君が煎れたホットミルクを飲む。
人肌位の温度なので、飲みやすい。彼のさりげない優しさが伝わってくる。
「おら」
バサリと投げられたのはタオルと着替え。
「風呂沸いてるから。」
土方君は急いで部屋を出てしまう。
私は土方の言葉に甘える事にした。
「お風呂ありがとう」
「おーう‥って!!」
土方君は私を見て急いで顔を逸らした。
私の格好は…土方君のズボンが大きかったので、素肌にTシャツで下はパンツだけだ
土方君は慌てて小さめの服を持ってきて着るようにと促す。
まだ少し大きいが、何とかなった。
「紅月。今日は泊まれ。」
ほらね…また名字で呼ぶ。不器用だから、名前では呼んででくれない。
時計を見ると0時をまわっている。
「親には連絡いれとくから…」
「良いの…親、居ないから」
「…悪りぃ」
「ううん。大丈夫。」
しばらく沈黙が続いた後、土方君が
「お前ベット使え」
そう言って布団をしこうとする。
「駄目駄目!!そこまでは駄目だよ!!」
「女に床で寝ろなんて言わねえよ。」
淡々と言って布団に潜り込んでしまった。
私は申し訳なくベットに入る。
でも土方君のさりげない優しさがうれしかった。
不器用な私と貴方