涙の恋
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−トントントン−
リズミカルな音で目が覚める。
目を開けると知らない天井が広がっている。
まだ覚めきっていない頭で
−そうか。ここ、私の家じゃ無い−
と理解する。
しかし、まだ頭が覚醒していないので誰の家か分からない。
−あれ?私…−
そう思うのと同時に、部屋のドアがガチャリと開く。
「目、覚めたか?」
入って来た人物を見て、初めて状況を理解する。
「わっ!土方君!!ごめん。直ぐ降りる。」
「良いから。朝飯。食うだろ」
爽やかに言う彼に本当に何でも出来るんだと思い、少し嫉妬する。
「おいしい!!これおいしいよ!!」
「そうか?普通だろ」
土方君が作った朝ご飯は凄く美味しかった。でもマヨネーズまみれは止めてほしい。
私も1人暮らしだから料理はするけど、土方君のはそれより断然おいしい。
何か…ちょっと悔しい…
「いつも作るの?」
そう聞くと土方君は
「俺、いつもパンだから。ただ今日は紅月も居たし…」
照れた様に笑う土方君を見ると、こっちも頬が熱くなってくる。
久々の朝ご飯の味
最後の方は味なんか分からない。