未来日記
□03
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最近、咲羅の様子が変だ
なんつーか……忘れ物をよくする。
元々しっかりしているあいつだが、忘れ物する事なんかあるんだな
と、はじめの方は思っていた。
だが、最近何かおかしい。
いくら何でも忘れすぎだ。ドジのレベルをこえている
「あれ、おかしいな」
今も咲羅は鞄の中を漁っている。
「どうしたんだ?」
「今日の講義の教科書が、無いんだよね」
「それ……」
おかしい。咲羅の鞄に入っているのは次の日の講義の教科書だ。
彼女は気づいて無いのだろうか……
「咲羅、お前ちょっと顔色悪いから、後で病院行こうぜ」
医者に話せばなんとかなると思っていた。
不思議そうな顔をしながら頷く彼女に、
少し、胸がチクリとした。
何もなければそれで良い。
それで……良いんだ。
何もなければただ咲羅がドジなだけ。
そう、自分に言い聞かせた。
始まりに過ぎない
忍び寄る影、
どうか嘘でありますように……