未来日記
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「土方さん、ちょっと。」
咲羅が入院してから結構な日数が経った。
幸い、咲羅の病状は良くなっていっている。
このままだと、退院も近いかもしれない。
そう、もう少しなんだ……
「自宅療養、しますか?」
「ど、いう事ですか?」
「思ったより回復が良くてね。自宅でも誰かの支えがあれば生活して行けると思いますよ。」
「本当……ですか!?」
「でも、まだ安心しちゃ駄目ですよ。無理もさせないで下さいね」
「っ!!はいっ!!」
やっと、やっと退院出来るんだ。退院したらどこへ連れていこう。
あいつの喜ぶ事なら、なんでもしてあげよう。
だから――
「可哀想にね、紅月咲羅さん。まだ若いのにね。」
「こんな早くアルツハイマー病になるなんて……」
「先生、自宅療養進めたらしいわよ」
「えぇ!!じゃああの子もう長くないわね」
「寂しいわ。あんなに若い子が亡くなるなんて」
「シィ!まだ決まった訳じゃ無いでしょ!!ホラッ仕事仕事!!」
だから―
3人のナースが俺を見て慌てて病室へ行った。
『自宅療養させましょう』
「ハハッ、ハハハ」
そうだよな、そんな簡単に治るわけがない。寧ろ――
「もう治らないんだ。」
お願い泣かないで
それは彼女に言った言葉か、それとも――