未来日記

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「海だーーー!!」

「頼むからそこで騒がないでくれ」

「だって久々の外出だよ?嬉しいもん!!」
そう言って微笑む咲羅。

しかし以前より元気がない。全体的にまた痩せたようだ。

「咲羅……これから少し出掛けないか?」

「良いけど、どこに?」

「いや、あの、その……」

面と向かって言うとなるとやはり恥ずかしい。


「ゆ、指輪、買いに行こうかと思って……」


駄目だ、そんなんだから俺はヘタレなんて言われるんだ。

真っ赤になったであろう顔をゆっくりとあげると、咲羅はこれでもかって位目を見開いている。

「……良いの?」

「あぁ」

「私、可愛くないよ?嫉妬だって、
いっぱいしちゃうかもしれないし……
私といても、辛い思いしかしないよ?」

馬鹿だな、こいつは……それでも……


「それでも、咲羅が良いんだよ。愛してる。」

「っ、!!私も愛してるよ!!」


さぁ、一緒に行こう。

二人の楽園へ。

大丈夫。

もう怖くない。

君がいるから。

だから……






「うぇっ、っく、ひっく、」

「なんで泣くんだよ……ったく……」

「だって、嬉しく、てぇ」




その涙は半分は嬉し涙。

でも、もう半分は……



 

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