涙のリング
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「来ると思ってたよ」
俺は今、咲羅の親父の所に居る
勿論、兄妹の事を聞くためだ。
俺は今までA型で、死んだ両親もA型だと思っていた。
しかし、ひょんな事から見た母子手帳には両親ともO型だということに気付いた。
アルバムを見ると、死んだ両親の他に俺そっくりな男がいた。
よくよく調べてみたら、どうやらそれが咲羅の父親らしい。
薄々は分かっていた。俺は両親の本当の子供じゃないと。
賭で咲羅にあの指輪を渡した。
どうやら、俺の予想は当たったみたいだ。
「確かに…君たちは兄妹だ。俺は見たんだ。母さんが、お前と晋助を入れ替えたのを…」
別に驚きはしなかった。
だがもし…神様が居るなら……
何故俺たちの性別を分けだのだろうか。
俺たちがもし、同じ性別なら、こんな思いは持たなかっただろう……
「ホントにすまない…」
「謝るなよ…ただ…一つだけ言わせてくれ…」
だが、兄妹だろうが関係ない
「咲羅を…俺を…産んでくれて…ありがとう。」
全てを捨てても…あいつを愛する。
たとえそれが許されなくても
僕らは禁忌を犯す
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