涙のリング
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何日か経ち、咲羅の意識が安定した頃、俺達はお見舞いに行った。
―目が覚めたら全て話すわ……―
「かあさ…「咲羅、少し聞いて。」」
「真実を言うわ」
時が、止まったようだった…
「十四郎、貴方は紛れもない《私達》の子供…
そして、咲羅…貴女は…
土方家の子供よ」
「ど…ゆ…事…土方はトシで、私は紅月だよ…」
「俺は親父から聞いたんだ!!あんたが俺と高杉を入れ換えたのを!!」
「違う!!確かに入れ換えたわ…でも…入れ換えたのは貴方と、咲羅よ」
「…んでだよ!!何で入れ換えた!!」
「好きだったのよ!!咲羅の父親が!!彼も私を愛してくれたわ!!
でも…彼には婚約者が居たのよ……」
「それで入れ換えたのか…」
「ごめんなさい…ごめんなさい…許されない事だって分かってる…ごめんなさい」
隠されていた真実
時計の音が、やけにうるさい