romanzo

□la vigilia di Natale(TOV レイユリ)
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「うええ?ちょっと…今日はもう勘弁してよー」

今日は仕事納めの日。朝からギルドはどこもてんやわんやで、天を射る矢も例外ではない。

「頼むレイヴン!ここのギルドに顔が利いて、なおかつフェアに交渉出来るのなんてあんた位なんだ。」

だからってこんな日に限って俺に仕事回す?なんとか早く家に帰ろうと朝からガシガシ仕事してたの知ってるくせに!ああもうずっとトンズラこいてりゃよかったわ…

「あーもうわーったわーった。交渉はちゃんとやっておくから、そのかわり現地から直帰させてもらうかんね!」

一応幹部クラスと呼ばれる立場なのに、どうしてビシッと断れなんだ。…あれか。愛しい恋人の放っとけない病にいつの間にかかかっていたのかね。

とり急ぎ外に出ると一張羅の羽織りじゃ寒い。待っててよーユーリ君。なんとかして早く君の元に行くから…真夜中までには…多分。





…遅い。今日はギルドの仕事があるけど絶対早く帰ってくるとか言ってたくせに。こんなことならエステルが誘ってくれた騎士団の晩餐会の方が…いや、堅苦しいから絶対にパスだな。そういやそっからカロルたちが二人を連れ出してパーティーするとか言ってたけど、うまくいったんだろうか。さすがにフレンは無理だろうとは思うけど。

今からでもそっちに行こうかとも思ったけれど、外は寒いし面倒だった。下町の奴らからおすそ分けにもらった様々な料理で、既にフルコースは用意されているというのに。

「あー。来るなら早くこいよー。」

ベッドに横になってつぶやく。ラピードが同意するように欠伸をするから、つられて眠気が襲ってきた。





「せーいーねーん…」

頼まれた交渉を済ませ、その後の飲みのお誘いをなんとかやんわりお断りして、恋人の元へとひたすら走った。場所が帝都からそんなに離れていなかったのが不幸中の幸いだったけれど、約束には程遠い時間にたどり着いた。

「寝ちゃった…わよねぇ。」

俺のバカ。大切な人を今夜独りぼっちにするなんて…っておっとごめんわんこ、相棒は主人と居てくれたのよね。

「ごめんな、ユーリ。」

ベッドに横になって眠る彼を起こさないように、そうっと綺麗な黒髪をよけると小さくキスを落とす。


素敵な料理は冷めちゃってるし、申し訳に持ってきたお酒は、一人じゃ美味しく飲めないだろうから、

「目が覚めたらずっと、一日ずうっとくっついて過ごしちゃうかんね。」



だって今日はイヴだから。明日はきっとHappy Merry X'mas!!










皆さんも良いクリスマスを☆次頁あとがきです。
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