彼らの日常

□picture of you 1
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おれの部屋は男の一人暮らしらしく無機質だ。


グレーのベッドカバー、朝なのにカーテンはしめきっている。カーテンの隙間から差し込む光から、今日は晴れだと判断することができる。部屋の隅には洗濯物が山になっている。もちろんたたむ気はゼロだ。テーブルの上には食べた後のカップ麺がそのままにしてある。たしか昨日の昼食に食べたものだ。おれは部屋だけではなく、食生活まで無機質みたいだ。


季節はもう11月。朝布団から出るのが相当辛い季節になってきた。
眠い目をこすりながら布団から這い出る。
テーブルの前に腰かけて朝一本目の煙草に火をつけた。

口から吐き出した煙がゆらめいて天井に上っていく。
そして悲しく消えて散っていく。
そんな様子をぼーっと眺めていた。

横に目をやると、床には空のペットボトルが一本だけころがっていた。
「ああ、今のおれのようだな」と思った。

ねぇジュンス?君は今どこにいるの?

俺は君がいなきゃゴミのひとつも片付けられないみたいだ。


埃のかぶったキーボードの上に飾ってある俺達の写真を見るたび、俺はまた君を思ってしまうんだよ。


~Picture of you~
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