彼らの日常
□picture of you 6
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ついに土曜日になった。俺はRainy nightのアレンジをだいたい完成させていた。こんなところでジュンスにハモリをいれたら楽しいかな、とか、ここでジュンスがアドリブを入れてくれたらまた曲に広がりがでるのにな、とかいろんなアイデアが浮かんで、かなりいい出来には仕上がってきていた。
あと、久し振りに作曲もした。これに関しては全く自身はなかったが、ジュンスに歌ってほしい、という思いだけで作った、ジュンスのための曲だ。イメージとしてはRainy nightの切ないメロディーと重ねたつもりだ。一応ジュンスに聞かせてみようかな、とか考えていた。本当に俺はこの1週間、ジュンスのことばかり考えていたのだ。
ジュンスの家は大学から歩いて15分くらいのところにあった。俺の家は大学まで歩いて5分くらいのところだったので、ジュンスの家まではだいたい20分でつく計算だ。
ヘッドフォンで先週作った俺達の音源を聞く。ジュンスの家が近づくにつれて鼓動が早まる。やばい。緊張してきた。今日は曲のことだけでなく、自分の気持ちもはっきりさせようと思っていた。俺は、ジュンスのことを特別に思っているのだろうか?
そしてジュンスにも聞こうと心に決めていた。
この前のキスはどういう意味だったのか、と。
そんなことをあーだこーだ考えているうちにすぐにジュンスの家の前に着いた。
ジュンスに早く会いたいような、でも少し顔を合わせにくいような・・・そんな複雑な気持ちだった。
インターフォンを押すに押せない。俺はもたもたしていた。何してるんだ、俺。しっかりしろ、パク・ユチョン。
そのときジュンスの家の玄関が開いた。