ショートクリスマス
□聖夜の熱は雪をも溶かして
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「ちょっと待てよ、桃子!」
……なんで急に帰るなんて言い出すんだ。
「何が気に入らないんだよ!」
…せっかくのイブなのに。
「……頼むよ、待ってくれって。」
桃子がふいに立ち止まった。
こちらを振り向かずに、話し出す。
「……ごめん。ただのヤキモチ。」
……?
「さっきもらったネックレス、…波ちゃんも欲しがってたの。」
「……え?」
…竜波さん?
「…頭では…わかってるんだけど、どうしても宙くんはまだ波ちゃんのこと好きなんじゃないかって……不安になって…。」
桃子が背中を震わせながら消えそうな声で言った。
……そんなこと考えてたのか。