ショートクリスマス

□聖夜の熱は雪をも溶かして
1ページ/2ページ



「ちょっと待てよ、桃子!」

……なんで急に帰るなんて言い出すんだ。


「何が気に入らないんだよ!」


…せっかくのイブなのに。



「……頼むよ、待ってくれって。」



桃子がふいに立ち止まった。
こちらを振り向かずに、話し出す。

「……ごめん。ただのヤキモチ。」


……?



「さっきもらったネックレス、…波ちゃんも欲しがってたの。」



「……え?」

…竜波さん?


「…頭では…わかってるんだけど、どうしても宙くんはまだ波ちゃんのこと好きなんじゃないかって……不安になって…。」


桃子が背中を震わせながら消えそうな声で言った。


……そんなこと考えてたのか。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ