ショートクリスマス

□聖夜の熱は雪をも溶かして
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俺は小さくなって震える彼女を、後ろからそっと包んだ。


「わかってないよ、桃子は。」


「……ふぇ?」


桃子が目に涙を浮かべながら振り向く。



「俺の熱…、伝わってる?」


「…………うん。」




「桃子といると、俺はドキドキして体温上がるの。」


「………うん。」


「ごまかし利かないくらい、ちゃんと……好きだから。」


「…………うん。」



良かった。


桃子が笑った。


…ったく、1度しか言わないつもりだったのに、

気づいたら俺ばっかり言ってるじゃないか。


桃子には、本当敵わないな…。


「アホなんだから、あんまり難しく考えるなよ!」


膨れ面をした桃子に、眼鏡を外し、深い深いキスをした。



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