Le monde a rallonges

□特別な娘
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エヴァとアレルヤの二人を乗せたキュリオスは、ある無人島に着陸した。


「ここが、僕たちCBの地上での基地だ」


エヴァは周囲を伺った。
ずっと閉じ込められていたエヴァは、今始めて“自然”を見た気がした。
大きな木は堂々と立ち、僅かな風に吹かれて青々とした大きな葉を気持ちよさそうにそよがしている。
照りつける太陽の光でさえも、緑色をしていた。
川のせせらぎ、鳥の声など様々な音が聞こえてくるが、聲(コエ)が聞こえて来ないことに、エヴァは何よりも心地良さを感じた。


「さ、エヴァ、捕まって」


コックピットのハッチを開いて外に出たアレルヤは、エヴァに手を差し出した。


「うむ」


アレルヤの手を掴もうとしていたエヴァは、さっとその手を戻した。
あの屋敷から出たからには、エヴァも“普通の娘”となる。
そう決意したことを思い出したのだ。


「大丈夫。降りられる。私は今、普通の娘なのだからな」

「いや、危ないよ」

「問題無い」


エヴァは意外に意志が強く、手を取ろうとはしない。
諦めたアレルヤは、困ったように笑った。
エヴァはそっと、下を伺った。
アレルヤからヘルメットを貸りたままでいる為、頭をぶつける心配だけはせずに済む。
アレルヤは、エヴァが思案している間に地面にたどり着いていた。
そして、エヴァは身に纏うワンピースの裾が乱れることも気にせず、アレルヤを真似てコックピットから降り始めた。




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