Le monde a rallonges

□禁断の赤い果実
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とある屋敷の中の屋敷。
そこにはアンティークと思われる家具が趣味良く置かれており、まるで御伽噺にでも出てくるお城の中のようだ。
そんな部屋で、強面の男が二人、肩身を狭くして座っていた。


「……という訳なんだ。知恵を貸してくれないか?」


一国の首相と宰相である男達は、自国の取るべき方針を目の前の者に尋ねた。
その者は熱心に本を読み続けており、周囲には多くの本が溢れている。
それらの本は、男達が知恵の対価にと持ってきたものだ。
対価がつまらない場合話すら聞いてもらえないという噂を耳にし、男達は大量の本を用意していた。
それにも関わらず、男達が話している間に本はみるみる内に読まれていき、既にその半数以上が読み終えられていた。
ここで断られてしまうと、自国は時代に取り残されてしまう。
男達は必死に自分の神に祈った。


「ふむ……いいだろう。この本は面白いからな。君達に知恵をやろう。
禁じられた赤い果実を……な」


詰めていた息を吐き出し、安堵を覚えた男達だったが、向けられた怪しい笑みに怯み、何も言うことが出来ない。
その赤紫色の目が本に向けられた後、威厳のある態度を崩さないように慌てて気を張った。
しかし、その声は僅かではなく震えている。


「な、何をすれば良い?」

「なに、至極簡単なことだよ、君。まずユニオンから抜けるという声明を出す。もちろん、武力を有することもな。後は、只待つだけで良い」

「本当にそれだけで良いのか?」

「そうだ。待っていれば、直ぐにソレスタルビーイング(CB)が介入してくる。彼等は武力を有することも戦争幇助とみなして攻撃するらしいからな。
そうなれば、君、後は勝手に変わっていくさ」




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