10/13の日記
10:39
やっぱり間に合わない!←
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10月10日。この日はおめでたいことに俺、坂田銀時の誕生日だ。この情報をどこで入手したのかは知らねぇが(もしかしたら酔っ払った状態の時にうっかり口滑らしたのかもな)俺の誕生日を知っていた神楽と新八が今夜それなりに俺を祝ってくれた。
…つっても下のババアのとこで知り合い呼んでどんちゃん騒ぎしただけだけど。誕生日らしかった所はロウソク立てられたホールのケーキくらいで、後は主役である俺をほったらかしてどいつもこいつも好きに呑んだり食ったりしてやがった。つーか1人くらい俺にプレゼント持ってこいよ。これじゃあただのケーキのある呑み会じゃねぇか。
そんなことを思いながら便所に行く為に一回二階に戻れば(ババアん家のトイレは現在長谷川さんが使用中だ)、なぜか居間から明るいテレビの音が聞こえた。
…オイオイまさか付けっぱなしとかじゃねぇよな…なんて考えながらもさっさと用を足しに行って、それからおもむろに居間へ足を向ける。…ついでに言っとくけど、ちゃんと手は洗ったからな。
「……何やってんですか」
居間へ着くと、そこには深夜のバラエティ番組を見ながら万事屋のソファーに寝転ぶアイツの姿があった。
「…テレビ見てる」
「それは見りゃわかる。そういう意味で訊いてんじゃねぇよ」
俺の問いにコイツは淡々とそう返し、その様子に俺は多少イラッとしてしまう。だって今日は一応俺の誕生日会っつーのが名目の呑み会だったはずだ。なのになんでこの子は平然とテレビなんか見ちゃってる訳?
「…だってこの番組面白いんダヨ?銀ちゃんも一緒見ようよ」
俺の機嫌を気にする素振りも見せず、コイツは寝っ転がったままそんな戯れ言を宣いやがった。…カッチーン。
「…今日さ、銀さんの誕生日なんだけど」
「?、知ってるヨ?おめでとー」
「…まだお前から何も貰ってねぇんだけど」
「や、だから後日あげるって。今はちょっと手持ちがなくて」
「今欲しい」
「…や、だから銀ちゃ…」
ここでやっと俺の方を見たコイツは、その翡翠色の目を見開いた。
…まぁ、無理もない。寝っ転がってるコイツに俺が覆い被さってんだから。
「……銀、ちゃん…?な、に、して…」
「寄越せよ」
コイツの言葉を遮りつつ、ゆっくりとその桜色の唇に顔を寄せる。
…ああ、そういや俺、今日は相当呑んでんだっけか。
「……全部、俺に寄越せ」
銀ちゃんおめ!
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