Sweet.06
□ベイビー、君は僕のもの
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「あら月乃、もういいの?」
「うん、そろそろ出る。ごちそうさま」
食器をシンクに置いて、わたしはさっさと玄関に向かった。
かばんを肩にかけつつローファーを履いていると、リビングからかなちゃんがやって来る。
「月乃、学校行くなら車で送ってく」
「はあ? かなちゃんこそ、学校は?」
「俺は今日、昼からだから」
「………」
飄々とうらやましいことを言ってのけるかなちゃんを、また無言でうらめしげに見つめて。
わたしは、はぁっとため息を吐いた。
「別に、送ってくれなくていいよ。そんなに時間かかるわけでもないんだし」
「けど、通勤ラッシュの電車なんて変態の魔窟だろ」
「どういうイメージよ……」
かなちゃんの言葉に呆れた視線を向けて、わたしは腰に手をあてる。
「ていうかね。かなちゃんに送ってもらうと、変に目立つから嫌なんだってば」
「別に俺、まわりの視線なんて気にしないし」
「かなちゃんじゃなくてわたしの話ですが……!」
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