Sweet.06

□ベイビー、君は僕のもの
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ピピピ、と枕元で耳障りな電子音が鳴り響き、わたしは目を閉じたまま手を伸ばしてその音を止めた。

ふわふわ、意識が定まらない。

未だ布団に顔をうずめたまま、心地よいまどろみの中をただよっていると──不意に、身体を揺すられた。



「月。月乃、起きろ」

「う、ん……あと5分……」



自分の肩に置かれたその手から逃れるように寝返りをうって、むにゃむにゃと呟く。

しかし、次の瞬間……わたしはガバリと、勢いよく上半身を起こした。



「なっ、かかかっ、かなちゃん?!」

「うん。月乃、おはよう」

「あ、おはよう……じゃなくて!!」



のんきに朝の挨拶をしてきた彼に、ついつい乗せられてしまいながらもつっこみを入れる。

息を荒げるわたしを気にも止めず、かなちゃんはしゃがんでいたベッド脇から立ち上がって「ごはんできてたぞ」と言った。

信じられない、という思いでパクパクと口を開けたり閉じたりしているわたしを放置し、さっさと部屋を出ていく。

……年頃のレディが眠る部屋に勝手に侵入しておいて、それに対するお詫びはなし?!

言いようのない怒りにかられて、わたしはかなちゃんが出ていったドアに、力一杯枕を投げつけた。


──彼は斜め向かいの家に住む大学院生、三島 奏。

少し歳の離れた、正真正銘わたしの幼なじみだ。

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