短編
□一目惚れ
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4時間目終了のチャイムがなった。
お昼ご飯を食べようとおもってカバンから出したお弁当箱を開いていると
「苗字無しさん 名無しさん今すぐ応接室に来て。来なかったら咬み殺すよ。」
私は、またかと一人溜め息を吐いた。最近私は、毎日昼休みに最強で最恐の風紀委員長、雲雀 恭弥に呼び出されるのだ。
周りからイタイほど視線を受けながらわたしは、開きかけていたお弁当箱をまた閉じ、それを持って応接室へ早足で向かった。
応接室の前へ来て少し上がった息を整え、ノックしようとしたら「入っていいよ」と中から声がした。
私は、扉をゆっくりとあけて中へ入った。
「随分遅かったね」
「これでも早足できたんですけど」
「じゃあ明日からは走って来てね」
私にはここに来る以外に選択肢はないのだろうか。
ふとそんなことを考えていると雲雀さんから「ねぇ、座ったら?」と声をかけられた。
私は、いつも通り雲雀さんが座るソファーの向かいのソファーに座った。
そして手に持っていたお弁当箱をテーブルに置いてそれを開いた。
「いただきまーす」
甘く味付けされた自作の卵焼きを箸で掴み口の中に放り込んだ。その様子を黙って見ている雲雀さん。これが最近では当たり前になりつつある。
特に雲雀さんと接点があるわけでもない私が何故応接室でお弁当を食べているかと言うと、それは1ヶ月前の出来事。