短編

□恋のキューピット
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『日番谷隊長ってカッコいいですよね』

「……………はぁ!?」


始まりはこの一言からだった


「かっ、カッコいいってあんた、隊長のこと好きだったの!?」

『はい、そうですよ。
乱菊さんなんでそんな意外そうなんですか?』


この子、苗字無しさん 名無しさんは十番隊の隊員にして私の見張り役である。

そもそも何故この子が見張り役になったかと言うと「おめぇに一人で仕事させても仕事にならねぇ」という日番谷隊長の言葉により、仕事のできる名無しさんが私の見張り役になったのだ。まったく失礼ね日番谷隊長ったら。

まぁ、そんなことは今はどうでもいいのだ。


「あんた普段隊長の前で赤くなってみたり、モジモジしてみたり、みたいな乙女な行動1度もとったことないじゃない!?」

『私がそんなことするように見えるんですか?
だとしたら眼科に行くことをオススメしますよ』

(う゛っ、たしかに)

「で、でもじゃあなんであたしに言ったりしたの?
あんた騒がれたりするの大っ嫌いでしょ?」


私がそう聞くと名無しさんはさも当たり前のようにこう言った


『隊長と乱菊さんって仲が良いみたいだから情報源にしようかと思いまして』


なんともサラーっと言ったが、つまりあたしを利用しようとしてるということだ
なんと打算的な子なんだろう


「つまりあたしに協力しろと?」

『はい、普段乱菊さんのお世話たくさんしてるんですからお返しして下さいよ』


普段は無口で冷静沈着な子なのに、今日はよく喋る
それだけ隊長が好きなのだろうか


「しょーがない、この乱菊お姉様が一肌脱いであげましょう!!」


(こんなおもしろそうなの、やらなきゃ損だわ)

なんていう失礼な考えを持っている乱菊


『余計なことはしないでくださいね
あくまで情報が欲しいだけですから』


そんな名無しさんの忠告など聞いていない乱菊は1人で盛り上がっていた






かくして乱菊の【隊長と名無しさんをラブラブにしちゃおう大作戦!!!】が幕を開けたのだった






 
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