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□ash
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真っ直ぐに自分を見つめる瞳に、なんの感情も読み取れなかった。
少し掠れた、でも落ち着いた声で彼が告げた言葉。
「ユノ…オレと別れてくれないか」
…あぁ、やはり、と苦く思った。
気持ちを伝え合うことにはあれだけ時間がかかったのに、終わるのに必要な時間はたった数日か。
「…お前が、そう言うなら…仕方ないな」
望み通りの返事をした筈なのに、その瞬間ユチョンは顔を酷く歪めて。
…感情が突き上げたように唇を動かしたのに。
「…じゃ、…そういうことで」
また、元の無気力な仮面を貼り付け、背を向けた。
立ち尽くすユノを、一度も振り返らずに。
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