復活 Novel

□温かな手
1ページ/3ページ

真っ暗な闇の中から白い綿が舞い落ちてくる。
コンコンと降り注ぎ、地面に消えていく。









いつかこのように、あっけなく消えてしまうのではないだろうか…
何もつかめないモノになってしまうのではないか…









葉が一枚も付いていない大きな樹に寄りかかっている。
口からは白い息が吐き出される。
どのくらいその場にいるのだろう…
頭上に白い綿がこんもりと積もっている。
それでも、そこから動くことなく立ち尽くしている。



















「綱吉くん」



















名前を呼ばれて振り返れば、怒ったような顔でこちらを見ている。








ツナの正面に立つと、頭や肩に降り積もった雪をはらい落とした。
コートは雪が解け、びしょ濡れになっていた。








.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ