復活 Novel
□温かな手
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真っ暗な闇の中から白い綿が舞い落ちてくる。
コンコンと降り注ぎ、地面に消えていく。
いつかこのように、あっけなく消えてしまうのではないだろうか…
何もつかめないモノになってしまうのではないか…
葉が一枚も付いていない大きな樹に寄りかかっている。
口からは白い息が吐き出される。
どのくらいその場にいるのだろう…
頭上に白い綿がこんもりと積もっている。
それでも、そこから動くことなく立ち尽くしている。
「綱吉くん」
名前を呼ばれて振り返れば、怒ったような顔でこちらを見ている。
ツナの正面に立つと、頭や肩に降り積もった雪をはらい落とした。
コートは雪が解け、びしょ濡れになっていた。
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