葵の書物

□七龍神族
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第一話 時はきた








〜10年後〜



「時がきたぞ、水蘭」
「はい、師範」
「お前はよく10年間、厳しい修行に堪えて、頑張ったな。青龍の力を全て教えられてよかった」
水蘭に微笑みながら、師範の言葉を言う
10年間、七龍神族の一人になるために、7人の子供達はそれぞれの大人の元で修行をした
水蘭は今や16歳
あんなに幼かった少女が、立派な女性になっていた

師範は首に掛けていた青色のまが玉を水蘭に渡した
「それは七龍神族に選ばれた証だ。肌身離さず持っとくんだ」
「―はい」
しっかりと受けると、それを自分の首に掛けた。それを見届けていた…。目を見開き、水蘭の隣に何かいたのか、悲しい表情をする
「もう、見えなくなったな…青龍…水蘭をちゃんと受け入れたのだな」
まが玉を前の主から新たな主に受け渡すと、青龍が新たな主を認め、受け入れたら…前の主には姿を見ることが出来なくなる。声も…力も使えなくなる
「青龍を頼んだぞ!!」
「はい!!」
水蘭は師範に一礼をし、荷物を持って、修行したその場所を離れた





水蘭の本当の目的のために…





(どうやら、我々が最後のようだな)
「じゃぁあと6人も修行を終えて、どこかに向かってるの?」
(あぁ、そうだ。再会するには少し時間がかかるであろう)
「そっか…」
10年前にあった6人。水蘭はよく覚えている。たった七日間しか一緒に入れなかったのに…
今まで感じていた温かさよりもすごく温かかった…
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