イナズマ

□奴隷であっても・・・
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「男同士の恋愛?考えれる訳ないだろ。てか、辺見、そっち系?うわ、マジありえないな。ホモうつるから触んなよ。」

その言葉に胸が痛んだ。
別に、俺に言った訳じゃないけど、でも、胸が痛くなった。
だって、俺も佐久間が嫌っているそっち側の人間で、佐久間が好きだから。
分かってる。
悪いのは俺なのだ。
そっち側にいる俺が悪いのだ。
でも、辛い。
胸が痛い。
好きな相手に否定されているようで、それが苦しい。
佐久間。俺を好きになって。
俺を見て。
そう言いたいけど、軽蔑されたくないから、嫌われたくないから、何も言わない。
言いたいけど、言わない、言えない。
嫌われたら、立ち直れないから。






「鬼道。な、セフレいらない?」

そう聞いて来たのは源王。
前々から源王は俺に言い寄って来ていた。俺と同じ側の人間。
嫌いじゃないけど、佐久間みたいに好きにはなれない相手。
抱かれたいとかは、思わない。
俺が抱かれたいのは、佐久間だけだから。

「恋人は嫌だって全力否定されたし、でも、お前、相手いないみたいだし、どうよ。」

と、聞いてくる源王。
俺は、それを断ろうと思って口を開こうとした。
でも、そこへ佐久間がやって来て

「死ねよ、源王。お前、鬼道さんを変な道に引き込むんじゃねぇ。このキング・オブ・バカ。」

と、言った。
ごめん、俺も源王と同じ側の人間。
そう言いたいけど、そんな事を言えば、佐久間にどれほど冷たい目で見られる事か。
考えただけで泣きたくなってしまう。

「うざ!」

「黙れ、寄るな、触るな。鬼道さん、行きましょう。ホモがうつっちゃいます。」

と、言って俺の手を引く佐久間。
佐久間、俺も同じなんだ。
源王と同じなんだ。
そう言ってしまえば、きっと、この手を佐久間は急いで離して、俺を軽蔑するだろう。
それが怖い。
佐久間に知られる事が怖い。
俺が、佐久間の嫌っている側の人間であることを知られるのが、怖い。
嫌われたくないから。
佐久間にだけは、嫌われたくないから。






部活が終わってからも練習を一人した後、部室に行くと佐久間のユニフォームを見つけた。
忘れて帰ったのだろう。
なんとなく、手に取って見てみた。
佐久間の匂いがして、なんだか、むらむらといけない感覚が湧きおこってきた。
ここでそんなことしちゃダメなのに、手が下部へと伸び、ちょっとだけならとついつい、ペニスを弄ってしまう。
しかも、いつもと違って佐久間のユニフォームがあるせいで、凄く、興奮してしまう。
佐久間。
んぅ、佐久間、好き。
大好き。
でも、触れる事が出来ない。
それが苦しいけど、でも、今こうして佐久間の匂いをかげるだけで、幸せ。
そんな事を思いながらシテいると、急に部室のドアが開いた。
慌ててユニフォームを後ろに隠す。
う、うわ、ヤバい。
誰だろう?
そう思って見てみれば、よりにもよって、佐久間がいた。
見られた・・・・・・。
佐久間に見られてしまった。

「鬼道さん。えっと、俺のユニフォーム、知りません?部室に忘れてたみたいなんですけど。」

と、聞いてくる佐久間。
俺は、ギュッと佐久間のユニフォームを握り締めて

「し、知らない。」

と、言った。
すると、佐久間は俺に近寄って来て、

「なら、その後ろに隠しているユニフォームはなんですか?」

と、聞きながら、それを奪い取った。
何も言えなくて、俺は黙ってうつむくしかできなかった。
そんな俺に佐久間は冷たい眼差しを向け

「鬼道さんもそっちの人だったんですね。残念です。俺、あなたの事、嫌いじゃなかったのに。」

と、言った。
嫌われた・・・・・・。
佐久間に、嫌われてしまった。
でも、仕方ないよな。
だって、佐久間のユニフォーム持ったまま、あんなことしたんだから。
自業自得なのに悲しくて、涙がぽろぽろと零れた。
すると、佐久間の表情が歪む。

「鬼道さん、もしかして、俺のこと好きだったんですか?」

と、聞かれ、思わず俺は頷いてしまう。
頷けば、ますます嫌われてしまうのに。
それでも、知られたなら、佐久間を好きだという気持ちを偽れない。

「ふ〜ん。そう言えば、男の方が具合が良いって話がありましたね。ね、そんなに好きなら、抱いてあげましょうか?もし、それで楽しかったら、セフレか奴隷ぐらいにはしてあげますよ。」

と、言って俺を見降ろす佐久間。
俺は、一瞬迷ったが、一度でも良いから、佐久間に抱いてもらいたくて

「抱いて、くれ。」

と、呟くようにして言った。
その言葉に佐久間は不愉快そうな表情を一度したが

「いいですよ。じゃあ、ラブホにでも行きましょうか。男同士でも入れる所があるって、成神が言ってた場所があるんです。」

と、言った。
まだ、イってないから、もう少ししたいけど、待ってくれそうにないから、なんとか身支度を整え、荷物を持って部室を出た。
少し前を歩く佐久間に慌ててついて行く。
悲しかったのに、気がつけば、凄くドキドキしていた。
一回だけかもしれないけど、興味本位だけど、佐久間が俺を抱いてくれる。
その事に喜びを感じずにはいられなかった。






佐久間に連れられて、ラブホテルに来た。
心臓が爆発してしまいそうで、あと、どうしたらいいのか分からなくて、立ち尽くしてしまう。

「なに、ボーっとしてるんです?早く服を全部脱いで、ベッドの上で四つん這いになってくださいよ。」

と、佐久間に言われ、俺は急いで服を脱いで、ベッドの上で四つん這いになった。
恥ずかしい・・・・・・。
凄い、佐久間の視線を感じてしまう。

「こんな所に指入れたりするんですね。まあ、いいや。とりあえず、これ入れてあげるから、その後は自分で中広げてください。」

と、言った後、チューブか何かを俺のアナルに挿し込む。
そして、中にぬるりとしたものを大量に流し込まれた。
気持ち悪いけど、佐久間と身体を繋げるのに必要だから、我慢した。
後ろを弄ったことないけど、しろって言うから、なんとなく、指を入れ、中を弄ってみた。
痛いし、気持ち悪い。
本当に佐久間のを挿れたら、気持ち良くなれるんだろうか?
分からない。
でも、抱かれてみたいから、不安を押し殺し、慣れない行為を続けた。

「鬼道さん、俺の勃起させてくださいよ。鬼道さんの口で。」

と、言いながら佐久間は俺の口元に萎えたままのペニスを近づけてきた。
なんか、俺のより大きい。
そんな事を思いながら舌を出し、舐めてみた。
苦い。
ちょっとだけ、戸惑ってしまう。

「抱いて欲しいなら早くしてくださいよ。でないと、止めますよ。」

と、佐久間が言うから、慌てて佐久間のを口に含んだ。
刺激を与えようと吸いついたり、舌を使って弄んだりしてみる。
息が詰まりそうになるけど、でも、止めて欲しくないから、必死に頑張った。

「上手ですね。誰かにしてたんですか?」

その言葉に俺は首を横に振った。
佐久間しか、好きになった事がないから、そんなの誰ともした事ない。
したいと思った事さえない。

「初めてでこんなに上手なんですか。怪しいですね。まあ、良いですけど。」

信じてくれないんだな。
でも、仕方ないよな。
佐久間は俺の事が嫌いなんだし。
男なのに男が好きで、一度でいいから佐久間に抱かれたいなんて望む浅ましい俺なんて、嫌われて仕方ないよな。
分かってる。
分かってるのに、悲しい。

「もういいですよ。これだけ硬くなれば、挿いるでしょうし。」

と、言って俺の口の中からペニスを取り出す佐久間。
後ろを弄っていた指を強引に除けさせ、硬くなったペニスを押し当ててきた。
ちょっとだけ怖くて、身体を強張らせ、目をつぶった。
強引に中をこじ開け、佐久間のペニスが入り込んできた。
労りなんてなくて、ただ、強引に、みっちりと奥の方まで入り込んできた。
痛くて、苦しくて、逃げ出したいとさえ思った。
自分で望んだ事のはずなのに・・・・・・。

「きつい・・・・・・。でも、確かに、これは気持ちイイですね。動いたらもっと、良いんでしょうね。」

そう言うと、佐久間は容赦ない速さで、中を擦るように動き始めた。
痛い、痛い。
痛い、佐久間、痛い。
でも、苦しくて、言葉が出ない。
ただ、涙が溢れ出て、呻く事しかできない。

「良いですね、凄く、良いですよ。気に入りましたよ、鬼道さん。これなら、鬼道さんをセフレにしてもいいし、してあげますよ。」

ヤダ。
嫌。
もう、こんな事したくない。
こんなに痛くて苦しい事したくない。
抱かれたいなんて、思うんじゃなかった。こんなに苦しいなら、痛いなら、そんなこと思うんじゃなかった。
そう思った次の瞬間、頭がスパークするような、感覚が押し寄せてきた。
一回だけじゃなくて、何度も何度も同じように感じた。

「何です?凄い、ここを突くと締め付けが良くなりましたよ。」

と、言って俺の中にあるとある部分を何回も突いて来た。
その度に、痛みじゃない、何か、そう、射精感を伴う快楽があふれた。
それが、気持ち良くて、苦しさで呻いていたはずなのに、甘ったるい喘ぎがこぼれ出た。
気持ちイイ。
ああ、佐久間、気持ちイイよ。

「ここが好きなんですか?じゃあ、たくさん突いてあげますよ。」

「ふぇ!あぁん!!あ、ぁぁ、あぅ、はぁ、あぁ!」

「女みたいな声ですね。あー、そうだ、女みたいな声上げるし、ここから射精出来ないようにしてあげますよ。そうしたら、もっと、女っぽくなるから、俺としてもそんなに不快じゃなくなりますし。」

そう言って佐久間は俺の髪を止めていたゴムを外し、そのゴムで俺のペニスを縛りあげた。
ゴムがくい込んで痛い。
なのに、後ろが気持ち良くて、頭がおかしくなりそうだった。
でも、時間がたつごとに、快楽が消えて行った。と、言うか、快楽さえもが苦痛になり始めた。
イきたくて、イきたくて仕方ないのに、イけない。
それが、凄く、辛かった。

「痛ぁ、あぁ、ぃは、イぉ。んー、っぐ。イかぁ、せてぇ。」

「嫌です。こうしてた方が締め付けもいいし、鬼道さんが女みたいだし、このままです。」

嫌、だぁ。
こんなの嫌だよ、佐久間。
止めてくれよ。
佐久間、お願いだから、酷い事、しないで。
ちょっとでいいから、優しくしてくれよ、佐久間。
お願い、だから、イかせて、佐久間・・・・・・。
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